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カナヘビの飼い方

ニホンカナヘビPhoto from
Wikipedia
KENPEI

和名 ニホンカナヘビ
英名 Japanese Grass Lizard
学名 Takydromus tachydromoides
分類 有鱗目トカゲ亜目スキンク下目カナヘビ科
原産 日本
全長 18~25cm

概要

カナヘビは、日本人にとってもっとも身近なトカゲです。特に関東にお住まいの方は、「トカゲ」と聞けばニホントカゲではなく、このニホンカナヘビのほうを想起されることでしょう。

一説に「かわいいヘビ」を意味する「愛蛇」(かなへび)が名前の由来と言われるほど、小さくてちょこまか動き、とても愛嬌のあるトカゲですが、顔つきはなかなか精悍で、意外とイケメンの部類に入るイケてるトカゲです。

観察するのが楽しい爬虫類であり、ぜひ飼育下に置いてじっくりながめたいものですが、ペットとしては飼育難度の高い動物でもあります。他の人気の爬虫類ペットたちのように、世界中に飼育者がいるというほどではないため、品種改良がなされていないのはもちろん、飼い方のセオリーすら確立されていない状況です。あくまでも愛玩動物ではなく野生動物だという意識で接しましょう。

ショップで販売されていることもありますが、野生状態のカナヘビを捕まえるのが一般的な入手方法です。春から夏の季節に、庭先などの草むらで、たまたま見つける、といったケースが多く、いざ探してみようとすると、なかなか見つからないのが常です。特に都市部では、いることはいますが、けっこうレアな存在です(東京と千葉では準絶滅危惧種に指定されています)。

日本在来の野生動物であることのメリットとして、飼い続けることができなくなったら生息地に帰すことができる、という選択肢があります。爬虫類の飼育に馴れていない方は、春から夏までの一時的な飼育にとどめ、秋になったら捕まえた場所で放してあげたほうがよいでしょう。飼育下での越冬が難しいので、ずっと飼い続けることは、初心者にはおすすめできません。

なお、動物愛護法により、人間の飼育下にある爬虫類は「愛護動物」とされ、それを「遺棄」する行為は50万円以下の罰金となります。カナヘビを帰す際には、「遺棄」となる恐れがありますので、必ず捕まえた場所で放すようにしてください。カナヘビがスムーズに野生へ復帰するためにも、それは必要かつ当然の配慮です。

飼育環境

ケージは一時的な飼育なら昆虫用のプラスチックケースでもかまいませんが、なるべく大きなサイズのケースを用意してあげましょう。長く飼い続ける場合には、幅40cm以上の爬虫類用のケースや水槽を使いましょう。単独飼育の場合、60cm以上あれば充分です。また、ケージは高さがあったほうがよいです。フタは金網など通気性にすぐれたものを使用し、きちんと閉めます。

ケージ内は、できるだけ自然の生息地の環境を再現します。床材には、捕まえた場所の土、または市販の黒土と腐葉土を混ぜたものをしきます。一時的な飼育なら新聞紙などでもかまいませんが、フンが分解されないため、かえって管理が面倒になります。また、日光浴のためにケージを頻繁に移動するので、土の量は重くなりすぎないよう気をつけてください。

土の上には、流木などの枝や平らな岩を置いたり植物をうえたりして、身を隠したり立体的に移動したりできる環境をととのえます。特にカナヘビは三次元的な活動を好むトカゲなので、枝などで入り組んだ構造にすると、カナヘビにとっても観察者にとっても楽しいテラリウムになります。こうしたアスレチックなエリアと平坦なエリアの両方を再現するためにも、ケースの広さと高さが求められます。

照明は、一時的な飼育であれば不要です。日本のトカゲなので日本の気候にまかせてかまわないわけですが、長く飼いたいなら、保温のためのスポットライトや紫外線を供給するための爬虫類用トゥルーライトを導入して万全のそなえとしましょう。

水入れを置き、常に清潔な水を張り、切らすことがないように注意してください。その一方で、霧吹きでケージ内に水を散布して、湿度の維持と給水をおこないます。

世話

カナヘビの日常的な世話は、エサやりと給水、そして日光浴です。

エサは小型の昆虫にサプリメントをまぶして与えます。市販のコオロギがメインでかまいませんが、できるだけさまざまな昆虫を与えたほうがよいので、ミルワームや小さな徘徊性のクモなども与えたいところです。コオロギは羽が生える前の小さなものを好みます。成虫を与えると苦戦する場面も見られますが、秋に帰すことが前提なら、狩猟経験を積ませることは決して悪いことではありません。エサは幼体には毎日、成体には1日おき程度のペースで与えます。

日光浴は毎日おこないましょう。ただし体が小さいため、すぐに熱射病で死んでしまうので、細心の注意が必要です。気温が上がり切らない午前中にケージの半分ほどを日光にさらし、天気により変わりますが、長くても1時間ほどで終わりとします。できれば付きっきりで観察し、日陰に逃げるような様子があったらただちに日光浴を終了としましょう。特に快晴の日は短時間で充分ですので用心してください。

冬眠をさせる場合には、晩秋にケージ内の改装または別のケージの準備が必要です。ケースに土を15~20cmの深さで入れ、地面に落ち葉をしき詰め、水入れを設置します。エサを多めに与え、食べなくなったら、暖房を使わない部屋など温度変化のない場所にケースを移動させましょう。動きが活発なようでしたら、日光浴またはトゥルーライトで紫外線を供給してあげます。やがて冬眠に入りますが、水を飲みに出てくることがありますので、容器の水はそのまま清潔にキープしておいてください。

カナヘビは健康状態が万全でないと冬眠中に死亡する可能性が大幅に高まります。よく太って元気な状態であることを確認してから冬眠の準備をしましょう。やせすぎているなど、なにかしら不安要素があるなら、自然に帰してあげるか、保温球やプレートヒーターをもちいて冬眠をさせずに冬を越したほうがよいでしょう。

人間を見慣れやすいので、スキンシップは可能です。ただしケージから出してハンドリングする際に逃げられると、捕獲が難しくなりがちですので、あまりおすすめはできません。

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